第二回:形を良くするここでは、爆弾の置き方について考察する。爆弾の置き方によって、試合の流れを左右したり、相手プレイヤーが何を狙っているのかを悟ったりすることができる。 例図として、fazさん主催の大会である「whim cup」の決勝戦の動画(決勝T_決勝_手抜き-あうあう.avi)からいくつか使用する。動画も同時に見ると流れがつかみやすいと思うので、参考にしたい方はhttp://faz.s101.xrea.com/whim1/movie.htmlから指示に従って落とすように。 この図は2point目の終了間際、2分12秒の時点の画像を元に作成した。はシンプルに逃げる場合の候補地である。この状況では、明らかに白ボンが有利である。その理由として、
という二点が、特に顕著だからだ。この白ボンが有利な状況を詳しく説明しよう。 逃げる側の考え方この状況で、黒ボンにとって特に厄介なのが、と,の爆弾の関連性と、の一団と,との関連性で、これによって逃げ道が狭められている。シンプルに逃げるとすれば、上の二つののどちらかで止まるか、の爆弾をズラし、奥の二つので止まる二種類だろう。 左方面はの一団が堅い形で、こちらを進むのはまず無理である。また、の爆弾の形も堅く、この縦の列を完全に抑えており、選択肢を大きく狭めている。ここまでが理解できれば十分である。図で瞬時に理解できれば、中〜上級者レベルだ。 補足尚、逃げる方向が上か右かは、回避方法とその後の展開の予想次第で、どちらも考えられる。 上ルート:が爆発した後に横の列に逃げるのが狙いになる。奥に行けば逃げ道の選択肢は上下にあり、相手の攻撃の対処方法も広がるが、鋭い把握が必要になり、の列を通るときの危険度も高い。それに対し、手前は奥の性質の反対の面がある。 右ルート:相手が包囲しにきても包囲しきれないように、出来るだけ遠くに行くのがこちらの意図である。の爆発の把握次第で、二つののどちらかを選択することになる。 攻撃側の考え方
これらはどれも考えられる。自分の気分や調子、目の付け所によって決めて構わない。ちなみに、止めを刺す際は、最終的にどの軸(X,Y軸)を狙っていくかをハッキリ意識すること。さもないと、攻撃が中途半端になってしまうのだ。 参考に…実戦での白は遠くから包囲する道を選んだが、実は二重に包囲することで、もう少し厳しく攻めることも出来た。これはあくまで参考図なので、実戦が間違っているというわけではない。実戦の方が安全であるし、この参考図では、ここで攻めが止まってしまう可能性があるからだ。下の図は実戦図と参考図である。 <実戦図> <参考図> はキックして移動しているの爆弾である。二つの図の違いは一目だろうが、参考図では包囲する爆弾の数を二つ増やし、白ボンの回避場所を変えてみた。二つ増やした理由は、もし黒ボンが上ルートの奥に行くことを選んだ場合、さらに上に行く逃げ道を塞ぐということと、一度蹴ったり殴ったりしてこの爆弾の形に手を加えると、それの硬直によるアドバンテージを白ボンが得ることができるからだ。 原因は?こちらのコーナーは動画を見ながらでないと、まず話についていけないと思うので、動画を見つつ読んでほしい。 の図は、2分11秒の時点での画像を元に作成している。 最初の例図に至る過程だが、黒ボンが特に疑問なプレイをしたのが2つある。一つはこの図の時左下に向かったこと。もう一つはの爆弾を置いたことだ。この場合、二つが相乗効果となってマイナスになっている。 実は左下に向かったのは、劣勢にはなるが敗勢になるほどのことではない。の爆弾を置くことで、左下でぐるっと回った後、左に一旦逃げるという選択肢を無くしているのが一番のマイナスポイント。また同じ理由で、から左斜め下に置いた爆弾もマイナスになる。 ただ、こちらは逃げ道は塞いでしまうが、ほどマイナスになる爆弾では無いと思う。逃げるのに支障をあまりきたさないことと、ここから流れを変えるケースが多々あるためだ。 この例図の時点で恐らく、攻めたいという気持ちがあったが推測できるが、この場面では辛抱するのがベターだったと思う。この画像の時点で既に、白ボンが中央近くに陣取り、黒ボンが進む可能性のあるルートに先回りしているため、黒ボンが劣勢なのだ。 まとめこのコーナーで特に述べたいのは、「無駄な爆弾は置かないこと」と「撒く際は逃げ道を作っておく」ことである。無駄な爆弾とは、将来的に使う可能性が極端に低い爆弾のことを指す。通路を塞ぐための爆弾や、将来、溜め攻撃を仕掛ける可能性がある爆弾は、無駄な爆弾とは言わない。爆弾の数だけ、攻撃の幅が広がる。しかし、相手の攻撃の幅を広げることにもなるということを、十分認識してほしい。 とりあえずここでは一つの場面を取り出したが、これだけでは分かり辛いと思うので、形を良くするポイントをいくつか箇条書きにしてみる。もしかしたら、箇条書きも例図も、付け足すことがあるかも知れない。
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